書きおろし・第4回 世界最高の選手を育てたのは……の巻 [犬ばか歳時記]
「覚えていますか? 1匹のわんちゃんが、世界を救ったということを……」
というのは嘘です。チルーは今日も、2丁目3丁目をうろうろしています。
こんにちは、犬ばかです。同胞の皆さま、ごきげんいかがでしょうか。
犬ばかの多くは、この時期、4年に一度のサッカーばかになることと思われま
す。
バンドマンは猫を飼い、サッカー選手は犬を飼っている。
というのは私の勝手なイメージですが、やっぱり犬の醍醐味はしゃにむに走る、
追いかけるところなのでサッカーとだぶります。
ゴール前、つめてこぼれ球を狙うチルー。
かのブラジル代表「ロナウジーニョ」さんも、こどものころは犬を練習相手に
していたそうですね。
小学生ぐらいのロナウジーニョ少年が飼っていたのは、ブチの雑種。
「その雑種犬がボールを奪うと噛んでつぶしてしまうから、僕は必死でボール
をキープしてうまくなったんだ」と、ご本人が言っておられました。
雨の日でさえ、家の中で靴下を丸めてボールに見立て、家具を障害物にして犬
を追いまわしたと。
そんなことをしたらママに大目玉を食らうじゃないか! と思うけれど、
母・ミゲリーナさんは「最初の犬が亡くなると、次に飼った犬もサッカーの相
手にしていました。犬も大変でしたよ」(スポニチ アネックスより)
と、どっちかというと犬に気づかいを。ほんとに、いい家族だなあ。
日本の雑種ワンコもちょんまげをかぶってロナウジーニョさんを応援。(大阪府枚方市)
スクラムを組んで応援する3匹犬。(大阪府枚方市)
「1匹の雑種わんちゃんが、世界最高のサッカー選手を育てた……」
という文言が、これから数週間は、私の頭の中で繰り返されることになりそう
です。
ちなみに、今、大スターとなったロナウジーニョさんが豪邸で飼っている犬は、
大きな白い犬ボーラ(意味:ボール)と、黒い犬ネグロン(意味:クロ)。
立ち上がるとロナウジーニョさんと同じぐらいの身長の2匹。
見るからに雑種では無さそうな、高級感ある犬たちですが、きっと今でもロナ
ウジーニョさんは、道端の雑種犬とサッカーしてくれるんじゃないかな。
だって、スターは野良犬と少年には優しいんだよ。ではまた!